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食べたかった仕出し弁当

社員4人の小さな支社で働いていた私は、ある日重要な任務を言い渡されました。本社から数人の重役が視察に来るというので、その昼食として仕出し弁当を手配するのです。お店は地元でも美味しいと評判の高級店です。上司から、「自分たちの分も含めてだから、6個」と言われたので私は嬉しくてわくわくしました。そのお店の仕出し弁当は有名で、一度は私も食べてみたかったのですが自分で買う勇気がない値段なのでした。電話で予算と個数を告げると、配達には手数料がかかるとのことで上司に了承を得ようとしたら、直接取りに行けと言われてしまいました。普段ならムッとするところですが、仕出し弁当が食べられると思うと苦になりませんでした。受け渡しの時間になり、会社の車で向かって引き取りに行くと一応中身を確認してくださいと、包装する前にふたを開けて見せてくれました。思わす顔がゆるんでしまいました。見たこともないような美しい弁当です。高価そうな食材を使い、凝った細工を施されバランスよく詰められてします。この場で食べてしまいたい衝動を抑え、包装してもらうと慎重に持ち帰りました。上司にどこに並べましょうかと聞くと、ご苦労さん帰っていいよの一言でした。耳を疑いましたが確かにそう言ったのです。弁当を受け取ったのは古参の女性事務員で、上司は本社からの重役3人を招き入れてきました。弁当が6個で来客は3人、残り3個で私の分はないという事でした。すっかり力が抜けてしまいました。確かに私は2か月前に入ったばかりの新人です。でもこれはないでしょう。あまりの悔しさに、帰りにコンビニで弁当2個とおでんを山ほど買って帰りました。

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